セクシーなアップビートについて

2012.02.01

ミックの舞いをひいてはストーンズをはじめとするとハードロックの音楽を特徴づけるものに、強いアップビート、またはウラ拍)があります。クンククというリズムを、タターンク」とひっくり返して強い拍を入れると、(ストリート・ファイティング・マン、68)の入りのようになる。この感覚を(ホンキー・トンク・ウィメン、69)で確認してみましょう。この曲は、まるで小皿を叩くみたいな「ココンココ、コン、ココンココ」で始まりますが、すぐに強いシのシンコペートした(拍のアタマではなくウラを強調する)ドラムスが入り、これまた打ち下ろしではなく掻き上げるリズムギターが続きます。

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ボーカルのリズムは、ダディダ、ダッダディダ、ダッダドゥダ。小節内の1拍目以外は全部半拍前倒しのアップビートになっている。うたの力は握った学帽を応援歌に合わせて打ち振るときとは逆に下から上へ突き上げる方向に働いている。踊りで表現してみると、腰の動きが、やばいくらいセクシャルになります。(腰というと「骨盤」と渾名されたエルヴィス・プレスリーが思い浮かびます)彼のロツクンロール曲はしかし、アップビートを特徴としていませんでした。《ハートブレイクーホテル》は4ビートのベース進行の上に3連符のビートがくるうたですが、間奏のところでエルヴィスはその3連符のリズムで股を開き加減にした腰を揺さぶるだけ。突き上げる動きはありません。同時代、アップビートのところで、腰をピクッと前上方に動かす男としては、ヴィンスーテイラーという革シャン姿のきまるイギリスのロカビリー歌手がいました。彼の映像は『ロック映像年鑑』等のビデオ・シリーズの1950年代のところを探すと見つかります。)